なぜ先義後利の精神を大切にするのか?

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「先義後利」という言葉は、

京都にある1689年創業の半兵衛麩というお麩屋さんの家訓のひとつです。

 

“義”とは、正しい人の道のこと、

“利”とは、人の欲(利益追求)のことを指します。

 

利益追求ばかりでビジネスをすると、

「人を騙してでも儲けよう」という間違った道へ進み、

やがては破滅してしまいます。

 

義を通し、人の役に立つ商売をする。

それによって得た利益を世のために使う。

 

それが正しい商いの道であると説かれています。

 

商売が長く続く秘伝でもありますね。

 

「経営とは科学である」といわれます。

 

科学とは、原因と結果の一定の因果関係=法定性の存在を発見することです。

 

「経済的合理性を追求する」

 

これは経営者の行動原理です。

 

しかし、経済的合理性の追求だけで経営者として成功するとは私は思えません。

 

義を優先するビジネス、目先の損得や経済的合理性よりも、

人と人との約束や痛みを優先できる経営者が、最後に笑うと私は思います。

 

成功した経営者とは、どんな人でしょうか。

 

それは、人との和ができて、人に助けてもらえる人だと思います。

 

私がまだ若い頃、会計ソフトメーカーのPCAの創業者で、

今は亡き川島正夫さんに、上場直後に伺ったことがあります。

 

「どうやったら、そんなに成功できるのですか?」

 

と私が質問すると、即座に川島さんは仰いました。

 

「運だよ、運。運は人が持ってきてくれるんだ。出会いだな」

 

川島さんは、高校、大学と夜学で、昼間は自転車に乗って子ども服の販売をしながら

苦労して公認会計士になった人です。

 

最終的には上場会社の社長にまでなられました。

 

算盤の天才であり、戦後の監査法人のパーティーで暗算の余興をやり、

算盤ボーイと大喝采を浴びるような頭脳明晰な方でした。

 

そんな方が発した「運」という言葉が、私は当時信じられませんでした。

 

しかし、30年経営を続けてきて

川島さんの気持ちがやっとわかるようになりました。

 

私たちが人生の中で出会える人は、世界の人類の中でほんの一握りです。

その中で日常的に付き合える人など本当に少数です。

 

その方々に尽くし、その人たちから信用を得て、

その人たちみんなから応援をしてもらえる。

 

このような経営姿勢こそ、最も成功に直結する経営者のあり方だと思います。

 

最近の言葉でいえば、ハピネス経営でしょうか。

 

私どもSAKURA United Solutionもハピネス経営を目指しています。