「【成功への失敗学:スタートアップの元CFOと上場企業の元COOが語る】上場を目指すなら知っておかないと危ない失敗パターンとは」セミナーレポート

2024年10月10日にオンライン開催されたセミナーでは、弊社 渋谷オフィス所長、公認会計士・税理士の鬼丸真史と、齊藤ビジネスデザイン株式会社 代表取締役の齊藤心吾氏が「成功への失敗学」というテーマのもと、企業が上場を目指す際に陥りがちな失敗パターンとその回避法について語りました。スタートアップから上場企業まで、経営者が理解すべきビジネスモデルや組織の育成方法、資本政策などについて、具体的な事例と実践的なアドバイスが共有されています。本コラムでは、その内容の一部をレポートします。

 

 

 

=当日のプログラム=

11:45〜11:50 オープニング

11:50〜12:10 第一部

 「事業成功の鍵:共通する失敗パターンとその回避方法から企業価値向上へつなげる」

 SAKURA United Solution株式会社 

 公認会計士/税理士 渋谷オフィス所長 鬼丸真史

12:10〜12:30 第二部

 「起業から16年、売上4億で停滞していた企業を再生し、5年で上場・業界No.1にまで押し上げた方法」

 齊藤ビジネスデザイン株式会社 代表取締役

 株式会社ライトワークス エグゼクティブフェロー 齊藤心吾氏

12:30〜12:45 Q&A

 

 

=スピーカー紹介=

SAKURA United Solution株式会社 

公認会計士/税理士 渋谷オフィス所長 鬼丸真史

 

2004~2009 有限責任監査法人トーマツ

2009~2015 財務コンサルティング会社にてM&AのFinancial Advisor、IPO支援、同族内事業承継を主に扱う

2015~2018 スタートアップにてCFO等を経験する

2018~   中小の財務コンサルティングにてKPI設定による企業価値の向上支援、IPO支援および M&AのFinancial Advisorなどに従事

 

 

齊藤ビジネスデザイン株式会社 代表取締役

株式会社ライトワークス エグゼクティブフェロー 齊藤心吾氏

 

2016~2024          株式会社ライトワークス(4267)  COO

2018~2024          来宜信息科技(上海)有限公司 総経理(CEO)

2023.10~             EY アクセラレータプログラム メンター

2024.03~             齊藤ビジネスデザイン株式会社 (CEO)

 

 

受注率5%、月間問い合わせ件数7.8件、年商4億のエンタープライズ向け人材開発システムのSaaSベンダーにおいて、5年で問い合わせ件数20倍、受注率5倍、売上4倍、3年以内離職率70%→5%を実現し、どうやって業界No.1に押し上げたか、その具体を話します。キーワードは「整える」で、人やコンサルティングなど、外にある何かを持ってくるのではなく、「整える」だけで事業は生き返ります。

企業価値向上のカギとなる「3バカ経営」の回避

弊社の鬼丸の講演は、「3バカ経営」の話からスタートしました。この「3バカ経営」とは、「精神論を強要する」「長時間労働を強要する」「戦略なき値引き」という、いわば経営者の悪癖を指します。これらの行動は、儲かる仕組みやビジネスモデルを構築する視点が欠如していることが原因とも言えます。

 

鬼丸は、健全な企業価値の向上には「ビジネスモデルの構築」「ビジネスモデルの改善」「経営者の正しい役割理解」という3つのトライアングルが重要だと説きます。また、具体的な施策として、企業の強みや競合他社分析、差別化の設定、リピート顧客の獲得、LTV向上を重視し、シンプルかつしっかりとした経営上のKPI設定が必要であると強調しました。

シンプルなKPI設定

鬼丸は、医療法人を例にシンプルなKPI設定の重要性を解説しました。この法人では高齢者住宅、在宅介護、病院、リハビリ施設、終末医療などを運営しており、先代(親)が築き上げました。

 

新たに事業を継承した社長が理解すべきKPIは、流入・流出人数や各施設の稼働率です。このシンプルなKPIをもとに各施設長を評価することで、経営が簡潔で になるため、社員も目標に向かいやすくなります。鬼丸は、明確でシンプルなKPI設定が経営全体の効率とモチベーション向上につながると言います。

社員の退職原因と対策

多くの経営者が悩む社員の大量退職について、鬼丸はビジョン・ミッションの共有や浸透だけでは解決できないと指摘します。ビジョン・ミッションは採用時に有効であるものの、社員が退職する理由はもっと具体的だからです。

 

退職の原因には、「会社に将来性を感じられない」「評価に納得がいかない」「人間関係」が挙げられます。対策として、ビジネスモデル・事業計画の明確化やポジションごとのKPI設定、中間評価面談の導入、ジョブローテーションの導入、過度な好き嫌い人事の改善などが挙げられました。

資本政策の失敗事例とその防止策

鬼丸は、創業初期からの株主間で起こりがちな対立についても言及しました。例えば、「株を返せ」との要求に対し「嫌だ、高く買え」といった紛争は、創業株主間契約の締結によって回避できます。

 

また、IPOを目指す若い企業でも、資産管理会社の早期設立が推奨されると指摘しました。成功後に、高い税金で悩まされないためです。エンジェル投資家の介入に対する対応策についても、セカンドオピニオンを活用することの重要性が語られました。いずれにしても、はやい段階で専門家に相談するのが得策でしょう。

業界No.1企業への成長戦略と企業文化変革の実践

齊藤氏は、ライトワークス社を5年で業界No.1に成長させた実体験をもとに、組織改革のプロセスを共有しました。特にリード獲得や組織文化、販売力の強化に注力し、「流通する言葉を変える」ことで社員の意識を改革したと説明しました。

 

齊藤氏は、リード獲得からの着手が組織全体のポジティブな変革を生む重要なきっかけになったと述べ、コンテンツマーケティングを取り入れることでリード数を飛躍的に向上させた具体例も紹介しました。この取り組みにより、社員数の増加や売上の拡大、さらには組織文化の協調と創造へのシフトが実現しました。

成長企業を支える4つの施策

齊藤氏は、自身が関わった企業の成長プロセスについて語りました。売上が数億円で停滞していた企業を再生し、5年で上場企業・業界No.1に押し上げたそのプロセスは、「どんな企業もグロースできる」という強いメッセージにつながっています。

 

齊藤氏は、まずリード獲得、次に組織文化の改革、そしてマネージャー育成、最後に販売力強化という順番で改革に着手しました。その背景には、「リード獲得から始めることで、会社に成長の兆しを与え、ポジティブな変化をドミノ倒しのように波及させる」という考えがあったそうです。リスティング広告に依存せず、コンテンツマーケティングを戦略的に導入することで、問い合わせ件数はわずか数件から300件へと飛躍し、受注単価も10倍に成長しました。

社員のエンゲージメント向上とダイバーシティの推進

齊藤氏の施策は、業績だけでなく組織文化の変革にも大きく寄与しました。3年以内の離職率が70%から5%に低下し、女性管理職比率が0%から50%に向上、社員の男女比も8:2から5:5へとバランスが取れるようになりました。

 

さらに、組織文化も「管理重視」から「協調・創造重視」へとシフトし、社員が自発的に成長できる環境を整えることができたのです。この変革の背景には、社員一人ひとりの成長にコミットし、固定観念に囚われない柔軟な働き方を奨励するという姿勢がありました。

持続的成長を支えるマネージャー育成と販売力強化

齊藤氏は、上場企業を目指す際に直面した「販売力の再現性」と「育成体制の未整備」の課題に対しても具体的なアプローチを取ってきました。まずはマネージャー層に対する育成を行い、リーダーシップやコーチングのスキルを強化。その後、販売プロセスを見直し、顧客に一貫した価値を提供する仕組みを構築しました。最初に「流通する言葉を変える」というコンセプトからMVVを刷新し、社員全員が成長意識を共有できるよう努めた結果、販売力は着実に向上し、同社は業界No.1の地位を確立しました。

 

今回のセミナーでは、鬼丸と齊藤氏の両者から「成功への失敗学」としての貴重な学びが多数共有されました。途中で時間となり、11月に開催される続編に続きます。詳細は、下記をご覧ください。

 

続編決定!【続・成功への失敗学:スタートアップの元CFOと上場企業の元COOが語る】上場を目指すなら知っておかないと危ない失敗パターンとは | Peatix

 

 

 

 

 

好評につき、続編開催決定!

 

=開催概要=

成功への道のりは、しばしば失敗という貴重な教訓の上に現れます。本セミナーでは、スタートアップの世界で豊富な経験を持つ元CFOと、上場企業でCOOを務めた経験者が、その知見を惜しみなく共有します。

 

スタートアップの創業者、経営陣、そして将来の起業を目指す方々にとって、このセミナーは成功への近道のヒントとなるでしょう。

 

他社の失敗から学び、自社の成功確率を高める――そんな貴重な機会を提供します。

 

 

=このような方におすすめ=

急成長とIPOの夢:未来の上場を視野に入れ、着実に歩みを進めたい

戦略的なEXIT:将来的な事業売却や合併を成功させるための布石を打ちたい

組織と成長の壁:以下のような悩みを一つでも抱えている

・財務戦略(CFOの役割)に不安がある

・事業拡大や新規事業開発に行き詰まりを感じている

・営業力強化やリーダー育成に課題を感じている

・組織全体のパフォーマンスやエンゲージメント向上に苦心している

 

 

=セミナー概要=

開催日時:2024年11月28日(木)11:30〜13:00

費  用:無料

形  式:オンライン(Zoom)

 

 

=プログラム=

11:30〜11:35 オープニング

11:35〜12:05 第一部

 「事業成功の鍵:共通する失敗パターンとその回避方法から企業価値向上へつなげる」

 SAKURA United Solution株式会社 

 公認会計士/税理士 渋谷オフィス所長 鬼丸真史氏

12:05〜12:45 第二部

 「起業から16年、売上4億で停滞していた企業を再生し、5年で上場・業界No.1にまで押し上げた方法」

 齊藤ビジネスデザイン株式会社 代表取締役

 株式会社ライトワークス エグゼクティブフェロー 齊藤心吾

 

12:45〜13:00 Q&A

 

※お申込み期限※

11月28日(木)10時まで

 

=スピーカー紹介=

SAKURA United Solution株式会社 

公認会計士/税理士 渋谷オフィス所長 鬼丸真史氏

 

2004~2009 有限責任監査法人トーマツ

2009~2015 財務コンサルティング会社にてM&AのFinancial Advisor、IPO支援、同族内事業承継を主に扱う

2015~2018 スタートアップにてCFO等を経験する

2018~   中小の財務コンサルティングにてKPI設定による企業価値の向上支援、IPO支援および M&AのFinancial Advisorなどに従事

 

 

事業で成功するためにはオンリーワンのビジネスモデルが求められるが、失敗については共通のパターンがあると言われる。失敗のパターンの代表例と、失敗に陥らないためにどのような対策が必要となるか事例形式で紹介いたします。

 

 

-このイベントで学べること

・企業価値向上を目指すうえで失敗の事例

・CFOの存在意義

・社外CFOの活用という視点

 

下記のリンクからお申込みいただけます。

 

続編決定!【続・成功への失敗学:スタートアップの元CFOと上場企業の元COOが語る】上場を目指すなら知っておかないと危ない失敗パターンとは | Peatix