令和の「赤ひげ」たれ──共助で地域社会を支えるために必要不可欠な志
黒澤明監督の名作映画『赤ひげ』。江戸時代の貧民医療施設・小石川養生所を舞台にしたこの映画で描かれる、金のあるなしに関係なく人を助ける医師の姿に、私たちはなぜ胸を打たれるのでしょうか。時代は変わり、「困っている人を助ける」という、人としての当たり前の感覚が失われつつある今。本当にこのままでいいのか。そう自問するところから、私たちの挑戦は始まっています。
新宿駅での出来事が教えてくれた“人としての在り方”
ある日の昼下がり、JR新宿駅のホームで倒れていた女性。
見かけた人々は無言のまま通り過ぎていきます。
助けようとしたのは、海外からの旅行客家族と日本人の私だけでした。
この出来事に、私は強烈な違和感を覚えました。
「なぜ、人として当たり前の行動が、当たり前にできなくなってしまったのか」
“冷たい”と外国人から評される日本人のイメージ。
これは現代の都市生活における孤立化と無関心の象徴であり、同時に、「リスクを恐れて行動を起こさない」という思考停止の結果でもあるでしょう。確かに、男性が女性に触れることはリスクもあります。しかし、倒れている人を放っておくことはできません。
私は、はっきりと言いたい。
人を助けることに、言い訳はいらない。勇気と、思いやりだけでいいと。
「共助」を仕組みに──士業・専門家ネットワークの可能性
人が助け合うには「自助」「公助」だけでは不十分です。
今こそ、「共助」の仕組みが必要です。
私たちは近年、ASUNA Alliance Consultingという士業・専門家の共助プラットフォームを推進しています。
参加者には、国家資格の有無は問いません。
大切なのは、「地域の中小企業を支援したい」という志です。
・実力のある専門家に仕事をご提供する
・人手不足の士業事務所には、BPOの活用をご提供する
・ご病気や事故で倒れた士業先生の事務所を、全国の仲間がともに支える
・士業事務所の後継者が資格を取得するまで、応援派遣をする
・ベトナムにBPO拠点を設け、国内には障がい者ワークセンターを開設し就労機会を創出する
例えばこのような共助の循環を、人の想いとAIの仕組みで、全国に展開しようとしています。
地方に専門家がいないなら、私たちが「いる」ことにする
起業や経営の相談相手がいない──。
福島・南相馬、北海道の弟子屈、全国の地域で聞こえてくる声です。
だったら、私たちがオンラインで“そこにいる”仕組みを作ればいい。
ネット環境さえあればどこでもオンライン会議ができる今、場所はもはや障壁ではありません。
AIによる質問の下書き、全国の士業の知恵、若手人材の育成…。
これらすべてをつないで、「経営相談の小石川養生所」を全国につくっていきたいのです。
助けるべきは“企業”
ただし、ここで重要なのは「トリアージ」の視点です。
経営が苦しい企業でも、経営者が誠実で志ある人なら、私たちは全力で支えます。
しかしながら「助けてもらって当然」という姿勢で、人に対して感謝の気持ちを持てない人には、私たちはなにもできません。
企業体が弱っていても、経営者の“心”が腐っていては、その再建に意味はない。
だから私たちは、支援の優先順位(トリアージ)を明確にし、共助の仕組みを、支えるに値する人のために使いたいと考えています。
資本主義のその先へ──「循環する利益」が目指す社会
共助は、ボランティアではありません。
この仕組みを継続するために、私たちは堂々と営利活動をします。
・働いてくれる人に良い労働環境を提供する
・得た利益は、困っている人へ回す
・「助けて→助けられて→また助ける」という循環を生む
これが、資本主義の“次”へ進むための中間ステージだと私は考えます。
「赤ひげ」は江戸時代の話ではない。
令和の今、私たち士業や専門家が、“その役割”を引き継ぐ時です。
●関連法人の一覧
SAKURA United Solution株式会社(2022年7月より社名変更/旧:株式会社さくら経営)
一般社団法人さくら労務実務研究所
人財創造有限責任事業組合


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